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『悪夢の始まり』

...2009/02/26 01:57...




家に帰り着いた時、私はもうクタクタだった。

朝の出来事もひとつの原因だろうが、
その後、遅れた仕事を必死にこなし、昼からは得意先に行き商談、
再び社に帰ってからは報告書を書いて、書類の整理。
こんなに目一杯スケジュールが詰まっていたのは久しぶりだった。
そのお陰か、私は朝の最悪な出来事をすっかり忘れていた。











「ただいま・・・。」

重いドアを押し開けながら私が言う。
すると、奥から子犬の様に転がり出てくるヤツが約一名・・・。

「お帰り~~~!!今晩のご飯なに???」
「アンタそれしかないの? 私、メチャクチャ疲れてるんだけど・・・。
たまには私の為にご飯作って待っててくれても、
バチは当たんないんじゃない?」

ソイツはちょっと拗ねた顔で

「な~んだ、まだ考えてないの?
俺、腹減っちゃったよ!」

と言いながら、奥の部屋に消えていく。
私の口からはため息がこぼれる。

「育て方間違ったかな・・・はぁ~」

私も重い体を押して、靴を脱ぎ中に入る。
中ではソイツがTVの前でゲームをしていた。

「アンタ今日、ちゃんと学校行ったの?」
「行ったよ~。 あ、栃木のおばさんから電話あった。
あっ、あぶね~~~!!」
「え? おばさんが? 何て?」
「ん? 別に大した用事はなかったみたい。
元気か? って・・・おっと!!」
「そう・・。アンタ、これ!!
食べたらちゃんとキッチンに持って行きなさいよ!」
「ハイハイ・・・、あっ! 
おばさんが『姉ちゃん、結婚はまだか?』ってさ!ハハハ!」
「余計なお世話よ!もう、早くゲームやめて!!
ご飯の支度、手伝ってよ!!」
「わかったよ、もう・・・。
もうちょっとでこの面クリアだったのにな・・・。」

ブツブツと文句を言いながら、やっとゲームを片付け始めた。


子犬・・・いや、コイツの正体は私の弟。
(子犬というには図体がデカ過ぎ!!)
年が少し離れてるせいか甘えたで困る。
大学生なのだが、いつも単位が足りないと言っては慌ててる。

私たちは、小さい頃に事故で両親を亡くし、
栃木の叔母夫婦に引き取られて暮らしていた。
私が就職するのと同時に一人暮らしを始め、
弟も大学に進学してから引き取って、それからは一緒に暮らしている。


「仔仔! そのテーブルの上、片付けといて!」


小さい頃は、コロコロとよく太り、泣き虫で、
いつも私の後を泣きながらくっついて歩いた。
名前はちゃんとあるのだが、小さい頃、
近所に住んでいた中国人のおばあちゃんが、彼をこう呼んでいて、
その響きが可愛く気に入っていたので、
今でも私はそう呼んでいる。
どうも「コロコロと太った子ブタ」みたいな意味らしい。
それも小さい頃の彼にピッタリだった。

それでも高校の頃からはメキメキと背が伸びて、今では私を遥かに超え、
今では時々ドアのところで頭をぶつけたりしている。
大きくなったものだ。
でも図体は大きくなっても、中身は昔の甘えた坊主のまま。


「大丈夫なのかなぁ?」

姉として、心配は尽きなかった。


慌ただしく、遅くなった夕飯の支度をしていると、家の電話が鳴った。

「仔仔! 悪いけど出て! 今、手が離せないから!」
「ハイハイ・・・」

面倒臭そうに腰を上げた仔仔が受話器を取る。

「・・・もしもしぃ~、あ~!! 元気?! うん、元気だよ!
え? あ~、面白いっていうより行くの面倒臭い・・・、
うん、わかってるよ。
でも最近来てくれないよね? 新しいゲームのソフト手に入ったんだ!!
今度またおいでよ、メチャクチャ面白いんだぜ♪」

なんだ、ヤツの友達か・・・。

「え? うん、いるよ。 なんだよ、会社で毎日会ってんだろ?
まだ足りないの? ごちそうさま♪♪
姉ちゃん、電話!! ヴァネスから~~~!!」
「は?? アンタの友達じゃないの?
だったら早く替わりなさいよ、もう!!」

受話器をヤツから受け取る。
ヤツがいたずらっぽく「ヴァネスが愛してるってさ♪」とからかう。


「うるさい!! 向こう行ってて! ・・ごめんね、どうしたの?」
『ハハハ! 仔仔、元気そうだな!
アイツ、相変わらず学校サボってんのか?』
「うん、みたいだね。 でもさすがにヤバくなると
慌てて行ってるみたいだよ。
あ、今日はありがとう!
広沢の専務、ヴァネスのことすごく気に入ったみたいだね?
って言っても、重役連中に気に入られるのはいつものことか♪」
『じいさんに気に入られても、あんま嬉しくないけどな、ハハハ』
「でも私は助かったよ~! そのお陰で商談がスムーズに進んだんだから。」
『なら良かったよ。 ・・・ところでお前、大丈夫か?』
「何が??」
『いや、今日は朝からいろいろあったからさ。
帰りにはひどく疲れてたみたいだし・・・。』
「あぁ、あったね、そういえば・・・、忘れてたよ、フフ♪」
『なんだ、もっと死にそうになってるかと思ってたけど・・・大丈夫そうだな』
「うん、あんなヤツにあんな事言われたくらい、なんでもないよ。
腹は立つけど・・・。」
『そうか、だったらいいんだ! じゃ・・・』
「え?! なに? 私の事心配して電話くれたの??」
『まあな、でも気にしてなさそうだから大丈夫だな?
じゃ、また明日!! 早く寝ろよ♪』
「うん、ありがとう。おやすみ・・・。」


ヴァネス・・・いつも私の事を気にかけてくれてるんだわ。
 

私はいつも彼に助けてもらってばかりだ。
こんなんじゃいけないと思うんだけど・・・。


「姉ちゃん、腹減った!! 早く飯食おうよ♪ カレー♪カレー♪」
「はぁ・・・アンタはいいわね、お気楽で・・・」
「え?? 何???」
「いいよ、なんでもない。 アンタと話してると疲れるわ・・・。」





翌日・・・

私はまだ残る疲れのためか、体が少し重かった。
それでも、今日は昨日と違っていい一日が送れるだろう。
あんな事は、そうそうないだろうから・・・。

私はオフィスのドアの前に立って、大きく深呼吸をひとつした。

「よし、今日も頑張るぞ!!」

心の中で気合いを入れて、勢いよくドアを開けた。

オフィス内はいつもどおり、活気に満ちている。
私はその事になぜかホッとした。
自分のデスクについた時、ヴァネスが笑顔で私に近づいてきた。


「おはよう! 昨日はありがとう。 心配させちゃったね?」
「よく眠れたか?
・・・うん、スッキリした顔してるな。 大丈夫そうだ。」
「昨日も大丈夫だって言ったじゃない!
あれからご飯食べて、お風呂に入って、その後はバタンキューよ♪
だから今日はもうスッキリ爽快!!」
「よかった。 今日もやらなきゃならない事が山積みだからな!」
「あ、そうだった。・・・今日もいっぱいあったよね。」
「ひょっとして忘れてた??
思い出させちゃったな、悪い・・・クックック」
「なんで笑ってんのよ?
・・・別にいいわよ、
どうせここまで来たら思い出さなきゃいけなかったんだから。」
「そうだな。 でも心配すんな、今日も手伝ってやるよ♪」
「ありがとう。・・・でもいいの。 今日からは全部自分でやる。」

一瞬、ヴァネスの動きが止まる。

「え? どうした? なんかあったのか?」
「ううん。ただ、いつまでもヴァネスに甘えてばかりじゃいけないなと思って・・・。
ヴァネスだって自分の仕事抱えてるわけだし、
私もこのままじゃ、いつまでたっても一人前になれないしね!」
「・・・そうか・・・、そうだな。
・・・でもなんかあったら必ず俺に言えよ。
全部一人で抱え込むな」
「大げさだね? 大丈夫だよ! 
ヴァネス、ちょっと甘やかし過ぎなんじゃない?
そんなに甘やかしちゃ、巣立ち出来なくなっちゃうよ、フフフ・・♪」
「・・・誰にでも甘いわけじゃないさ・・・」
「え?? なんか言った?」
「いや、なんでもない。 でもホントになにかあったら言うんだぞ」
「ハイハイ、わかりました、先生!・・・ありがとね、ヴァネス♪」


私がそう言うと、ヴァネスは笑顔で私の頭をポンっと撫でて、
自分のデスクへと帰って行った。


昨日、手をつける事ができなかった仕事に目を通してみる。
ため息がひとつ・・・。

「はぁ、ヴァネスにああは言ったけど、こりゃ大変だわ・・・」

書類を一枚一枚分けながら、今日の段取りを考えていると、
いつもどおり部長が入ってきた。
一瞬、オフィス内がざわめいたと思ったら、スグに沈黙に変わった。

「ん? 何???」

そう思って顔を上げてみると・・・!!



「な、な、なんでアイツが???!!!」


私は口をポカンと開けたまま、しばらくの間動く事ができなかった。

部長の横には、昨日私に向かって怒鳴った、あのバカ息子がいたからだ。
ヤツは得意そうな顔をして、オフィス内を眺めている。
そして、ふと口を開けたままの私と目が合った。

その瞬間のヤツの顔ったら・・・!!

口の端をニッと上げて、小バカにしたように笑ったのだ。

ムカつく!!

私は、自分の形相がみるみる内に変わっていくのがわかった。



「え~、今日から、この部署に配属になった道明寺司さんです。
私が説明するまでもないだろうが、この方は社長のご子息だ。
将来、この会社を継がれる時のため、勉強に来られた。
くれぐれも失礼のないように!!
彼にわからないことがあれば、丁寧に教えて差し上げてくれ。
誰かについて差し上げてほしいんだが・・・ヴァネスくん、君・・・」

部長がヴァネスの名前を挙げてヤツを見た瞬間、
ヤツはふと下ろしていた腕を上げ、ある人物を指差して言った。


「アイツでいい。」


周りの社員全員が一斉にヤツの指差した方向を目で追う。
そしてその視線は私に辿り着いた。


「ハイ?? なんで私が・・・!!」


あまりに突然な事に驚いていると、少し慌てた様子で部長が言った。


「じゃ、じゃあ、君、頼んだよ!!
ではあの者の横にデスクを用意させましょう♪」
「ちょ、ちょっと待って下さい!! だから、なぜ私なんですか??」


もう、なにがなんだか、ワケがわからない。 一体なにが起こったの??
私の頭の中は、クエッションマークでいっぱいになり、パニくった。


「部長!!」


その時、声を上げたのはヴァネスだった。

「彼女より私の方が、適任かと思われますが・・・・。
彼とは同性ですし、何かと・・・」

ヴァネスが話し終わらないうちに、ヤツがそれを遮った。

「いや、アイツでいい! 早く席を用意させろ!!」


なんて、傲慢な態度!!
ここをどこだと、自分がどんな立場にいると思っているのだろう?!


「わかりました。 お引き受けします。」


歯を食いしばりながら、私は言った。
ヤツは再び、ニヤっと笑って私に近づいてきた。


「よろしくな!」


ポンっと私の肩を叩くと、大きな声で高笑いを始めた。


そうやって笑ってられるのも、今のうちだけよ!! 覚悟しろ!
この世の中、お坊ちゃまが考えてるほど甘くないってことを、
イヤというほど思い知らせてやる!!


こうして、私の悪夢のような毎日が始まった・・・・。





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