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『ロストゲーム』

...2009/03/02 00:37...


朝の眩しい光が部屋いっぱいに満ちている。
コーヒーメーカーがゴポゴポと湯気をあげる。
窓の外からは鳥の鳴き声。
フライパンのジュージューという音。
朝食をねだるメイの声も少し眠そう。










そんな朝の光景の中、
いつもならキッチンに立っているはずの彼の姿が今朝はない。



「メイ、そろそろご主人さまを起こしてきて♪」



メイに声をかけてみるが、
姫はお食事の真っ最中でそれどころではないらしい。



「んもう、しょうがないな~。
 これ並べ終わったら起こしにいくか・・・。」



私は手に持ったお皿の上に、
レタスやスクランブルエッグ、ウィンナーなどを盛り付けて、
テーブルの上に並べた。



さて、珍しくお寝坊の彼を起こしに行くかな~と思って、
寝室の前まで行った時、突然そのドアが開いた。



「あっと・・・。おはよう♪
 ようやく起きてきたわね??」
「んあぁ、おはよう・・・・。」



彼は気だるそうに眉間にシワを寄せながら、
テーブルまで行き、席についた。
どうやら太陽が眩しいらしい。
私は彼の顔をまともに見るのが恥ずかしくって、
レースのカーテンを閉めに窓際に行く。
そして彼のカップにコーヒーを注いだ。



「頭いて~・・・・。」



彼は両手で頭を抱え込みながら、テーブルに肘をついた。
私はそんな彼をニヤニヤしながら見つめる。
私の視線に気付いた彼は、眉間一層深いシワを寄せながら唸った。



「なんだ?」
「ううん♪ なんでもない♪」
「なんだよ・・・・気持ちわり~な。・・・・いって~」



頭痛がよっぽどひどいらしく、今一度頭を抱える彼。



「そりゃ~、あれだけ飲んで帰ってくればね。
 ね?? ・・・昨日の事、覚えてる??」



彼は何言ってるんだとばかりにこちらへ視線をやったが、
私のニヤケた顔を見るなり目をそらしてしまった。



「覚えてない・・・。飲みすぎた・・・・。」
「・・・なんだ・・・覚えてないのか・・・・はぁ~。」



私は少しがっかりして、
テーブルの上に乗っていたクロワッサンに手を伸ばしながらため息をついた。









昨夜の出来事。


「今日は昔の友達に会ってくるから、飯は作れない。
 昨日のウチに作って冷蔵庫に入れてあるから、温めてちゃんと食えよ??
 早く帰ってくるつもりだけど、遅かったら先に寝てもいいから。」



その日の朝、そう言われていた私は、仕事が終わり帰ってきてから、
彼の作っておいてくれた特製のグラタンを温め、一人食べた。

そしてシャワーを浴び、ソファに座りながらメイを膝に
なんとなくTVを眺める。
彼のいない部屋は、どことなく広く感じられた。



「孝天、遅いな~。 まだ帰ってこないのかな??」



私は時計とニラメッコしながら、彼の帰りを待っていたのだ。
秒針の時を刻む音だけが、やけに大きく部屋中に響きわたる。


そうこうしてる間に自分でも気付かないまま、
ウトウトと眠りこんでしまった私は、強烈な物音で目が覚めた。



ドンドンドン!! ドンドンドン!!



心臓が破裂するかと思うほどの大きな音が、玄関の方から聞こえる。


誰っ?! 


そう思って身をすくめていると、
またもや轟音の中から聞き覚えのある声が聞こえた。


ドンドンドン!! ドンドンドン!!

「おぉ~い!! 今、帰ったぞ~~!!」



え?? 孝天??



私はまだバクバクと乱れ打つ心臓を抑えながら玄関に走る。



「孝天なの??」
「開けてくれ~!!」



私はその声を聞くなりホッとして、ドアを開けた。
その瞬間、大きな物体が私の上に倒れこんでくる。



「キャ~!! どうしたの??」



私より20cm以上は大きな孝天が、力もなく私にしなだれかかる。



「ただいまぁ~♪ 帰ってきたぞ~♪
 楽しかった~~♪♪」



なんだかよくわからないが、えらくご機嫌だ。
とにかくこのままじゃ、ご近所にも迷惑だし、
何よりも私がこの重みに耐えられない。
寝室まで運ばなきゃ・・・・。


私は支えればなんとか歩ける程度の孝天を、
やっとの思いで支えながら寝室に向かう。
その間、ずっと「楽しかった~♪」を繰り返す彼。
今、私が必死に運んでいるのは、私の知らない孝天だ。



長く感じられた寝室までの道のりを終え、
やっとベッドまで辿り着くと、孝天は倒れ込むようにベッドへ沈む。


はぁ~、やれやれ。


私は玄関で脱がしそこねた靴を脱がし、靴下を脱がした。



するとベッドの上の方から、彼が私を呼ぶ。



「なぁ。」
「ん~?? なに??」
「こっちに来いよ。」



さっきまでヘラヘラと笑っていた孝天は、そこにはいなかった。
真剣な、それでいて優しい顔で私を見つめている。
少し潤んだ真っ黒な瞳が、私に「早く来い」と言っていた。


私はベッドの縁に腰をかけ、体をひねって彼を見る。



「ハイ。 なぁに??」



そう言った途端、私の体は彼の隣に倒れこんでいた。
彼が腕を取り、自分の傍へと引っ張り込んだからだ。
彼の長い腕の中に、巻き物のように巻かれる私。
酔った彼の力は思ったよりも強く、抱きしめられた私は苦しいくらいだった。



「キャ~!! なに?? どうしたの??」
「うるさい、黙って俺に抱かれてろ。」



彼の言葉にドキっとする。
少しお酒の匂いのする孝天は、やっぱり私の知らない孝天だった。



「今日、昔の友達に『お前、変わったな』って言われたんだ。」
「・・・・そう。 どんな風に??」
「昔は俺、尖がってたんだって。 
 それが今じゃ丸くなってるらしい。」
「そうなの?? 昔の孝天にも会ってみたかったな~♪」
「嫌だっ!! もう昔には戻りたくない・・・。」



・・・そうだ。 この人は昔、いろいろと辛い思いをしたんだった。
余計な事、言っちゃったな。 謝らなきゃ・・・。
「ごめん」と言いかけたその時、孝天は意外な言葉を口にする。


「昔の俺の傍にはお前がいない。
 そんな昔にはもう戻りたくない。」


そう言って、私の首元に顔を埋める彼。



どうしちゃったんだろう??
今日はいつもの孝天とは別人のようだ。
まるで小さな子供のよう。


でも、普段の彼からは絶対に聞けない台詞が聞けて、
嬉しさのこみ上げる私がいた。



「ねぇ、孝天。 今日はいつもの孝天じゃないみたいだね。
 いつもこんなだったらいいのにな~♪」
「こんなだったらって・・・どんなだよ?」
「いっつも素直に私の事、好きだって態度でいてくれたら、
 私、あんなに不安にならないのに・・・。」



私がそう言うと、彼は黙りこくってしまった。


あ・・・調子に乗り過ぎた。


気まずい空気が寝室を埋めていく。



すると孝天はいきなり体を起こし、私の上に覆いかぶさってきた。
私の両手は顔の横で、彼の大きな手に押さえつけられる。



「なに?? どうしたの?!」



私の上からジッと射るように見つめる孝天の表情は真剣だ。
怖いくらいに澄んだその瞳は、私を捉えて離さなかった。



「・・・・・俺が自分の感情どうりに動いたら、
 お前の事、壊さない自信がない。」



そう言うと、彼は私に口づけをした。
今までにないくらい、荒々しく激しいキスだった。



どれくらい時間が経ったのだろう??
私はそのキスに、今まで感じたことのない彼の激しい感情を感じて、
頭の中が真っ白になった時、やっと彼の唇が私から離れた。
そして私を抱きしめる。 痛いくらいに・・・・。
私はその痛さが嬉しかった。
初めて彼が私への激しい思いをぶつけてくれたように感じられたから。



しばらく経ってもピクリとも動かない孝天に、声をかける。



「孝天??・・・・孝天??」



なおも動かない彼。



ひょっとして・・・・・。



必死の思いで大きな彼を押しのけてみた。
ベッドの上で転がる彼。
気持ちよさそうに軽い寝息をたてる大きな子供だ。



「孝天ったら・・・・。」



私は呆れてため息をついてみたものの、
さっきまでの激しい孝天を思い出し、
その無邪気な寝顔とのギャップに、ますます愛おしさを感じる。


「おやすみ、孝天。 いい夢見てね♪」


そう言って彼のおでこにかかる髪をかき分け、キスをした。











あんなに激しかった孝天なのに・・・覚えてないなんて。
私だけがドキドキしちゃって、バカみたいじゃない・・・。



そう思いながら、自分で作った朝食を口に運ぶ。



「レタスにスクランブルエッグ、それからウィンナーか・・・。
 どれも刃物を使わなくていいから、ちょうどお前向きだな。」



そう言って、苦笑いをしながら私を見る孝天に
悔しくなって意地悪がしてみたくなった私。
彼の背後に回って、首に抱きつく。



「ねぇ~、孝天。 お酒もたまにはいいわね♪
 孝天は酒癖がいいみたいだから、今度は私と飲んでみるぅ??」



ちょっと困らせてみたかった私は、
彼がどんな返答をしてくるのかを楽しみに待っていた。
きっとバツの悪い顔で、戸惑うのだろう。



すると孝天は自分の首に巻かれた私の手首を掴まえ、こう言った。



「そうだな。今度はホントに壊しちまうかもしれないけどな??」



そう言ってニヤリと笑う彼。
意外な言葉にドキっとした私の視界に入ってきた、彼の肩越しに見える私の手首。
そこには昨夜、孝天がつけた手形がくっきりと残っていた。



慌てて手を引っ込める私。



「・・・・・覚えてたの??」



バツが悪くなったのは、私の方だった。



「さぁな。 覚えてない。」


そう言って笑った彼の顔は、勝ち誇ったように輝いている。


ズルイ・・・。
私は一生、この人には勝てないのかも・・・??


一人戸惑い考え込んでいると、今度は彼の方が背後から抱きしめてきた。



「人に勝負を挑む時は、切り札がどっちにあるかを考えてからにするんだなw」



耳元でそう囁いた孝天は、私の頬に軽くキスをすると、
高笑いしながらバスルームに消えて行った。



く・・・悔しい~~~!!



「いつか絶対に勝ってみせるんだから!!」



それでもきっと私は負け続ける。
相手が孝天なら、それもいいだろう。
幸せなロストゲームなんだから・・・・・。



フッと微笑む私を、メイが不思議そうな顔で覗き込む。



「私たちのご主人さまは、手強いわね♪」



そう言った私に答えるように、彼女はミャ~と小さく鳴く。



朝日が眩しい、いつもとは少し違う朝の事だった。




                        ~~END~~




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