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『Rainy Day~ホントの気持ち』

...2009/02/24 02:00...


あれから二人は、休みの度に会うようになっていた。










公園や街中、山や海など場所は様々だったが、
彼はいつもカメラを片手に、私はその時によってお弁当などを持って出かけた。
時には彼がファインダーを覗くのを横目に小説を読みふけったり、
二人でとりとめのない話に花を咲かせて大声で笑ったりして、一日を過ごした。

私は彼とのそんな時間が好きだ。

日常は相変わらず忙しく、人間関係が煩わしいのも変わりはなかったが、
以前と違ってそれで仕事に行くのがイヤだと思うようなことはなくなった。
「あと何日で日曜日♪」
そう思うだけで、そんな日々の忙しさや煩わしさが、どうでもいい事に思えたからだ。



彼は実に不思議な人だった。
いつもカメラを持ち歩いているので、プロのカメラマンかと思ったらそうではないようだ。

でも日頃は何をしてる人なのかわからない。
もちろん本人に何度も聞いてみるのだが、
その度にうまくはぐらかされて教えてもらえない。


長身で端正な顔つきの彼は人ごみでも目立つのか、
街中なんかで外国人に話しかけられることも少なくないのだが、
その度に流暢な言葉で返している。
驚いたことにそれは英語だけではなく、中国語やタイ語など多国語を話しているようだ。

なぜそんな様々な言葉が話せるのか理由を聞くと

「ガキの頃から、あちこちで生活してきたからな」

と答えるだけで、後は何も話したがらなかった。



名前は「朱孝天」。
まったく純粋な日本人ではないらしい。
けれども日本語は日本人が話すのと同じくらいキレイな発音で話す。
でも、どこの国にいたのか、日本に住んでどれくらいなのかという事も
話したくないようだった。



そして時々あの日見たような、とても寂しい目をする。
それはホントに一瞬のことで、すぐにいつもの明るい彼に戻るのだが、
私はその痛いくらい寂し気な目がすごく気になった。


そんな彼と私の関係はもっと不思議だった。
毎日仕事が終わると、彼はどこからか見ていたかのように電話をくれる。
私と会っている時の彼は、ホントによく笑いよく喋るのだが、
電話ごしの彼はなんとなく無口だ。
私が一人で今日一日の出来事を一方的に話すと、
うんうんと相槌をうちながら黙って聞いてくれている。
そして時々私が会社の人間関係での愚痴をこぼすと、

「そうか・・・、でもお前なら大丈夫だよ。 きっと大丈夫。」

と励ましてくれる。
そんな彼の励ましがあると、私も頑張ろうと思えるのだった。


彼はぶっきらぼうで口も悪く、よく憎まれ口をきいたが、
ふとした瞬間それ以上に暖かい優しさを感じる事ができた。

私はそんな彼に好意を持ってはいたが、
異性として好きかと聞かれると正直言って自分でもよくわからない。

彼の側にいると不思議なほど安らげたが、
恋をしているというほどの熱いものを感じることができなかったからかもしれない。

友達かと聞かれればそうかもしれないが、私の中ではなんか違うような気もした。
彼の方も私に対して、好きな女の子に対するような感情はないように思える。
手を繋いだり、抱き締めあったり、そんな行動は一切なかったし、
そうしたいようにも見えなかった。

でも、私はそんな関係にすっかり満足していた。
逆を言えば、この関係を壊したくなかった。


ずっとこのままでいたい。
そして彼もきっとそう思っている・・・。




ある日曜日、いつものようにあの公園で彼を待っていた。
あの日とはうって変わって、今にも泣き出しそうな空。


ツイてないな、日曜日にこんな天気なんて・・・。
孝天、早く来ないかな?
彼が来たら今日はこんな天気だから本屋に付き合ってもらっちゃおう♪
探したい本もあるし・・・。
彼も好きな写真家の写真集出たって言ってたから、たまにはイイよね?


だけど、いつもの時間になっても彼は現れない。
10分・・・30分・・・1時間・・・・・

どうしたんだろう?

いつもなら15分以上遅れてくる時には電話をくれる。
私は何度も携帯を見て着信がないか確かめた。
けれども待ち受け画面は変わらないまま。
メールも来てないか確かめるが、そこに何の変化もない。
彼に電話をかけてみる。
だけど何度かけても留守電だ。

どうして?彼に何かあったのかしら? 事故にでもあったの?

胸騒ぎがする。
なんだか胸の奥の方を、素手でギュッと握り潰されたような痛みを感じた。


彼の家に行ってみようか?


彼の家には以前行った事があった。
彼が現像で手が離せない時、何度か呼び出された事があったからだ。

彼はこの公園の近くのそんなに大きくないマンションの一室に住んでいたが、
そこには必要最小限のものしか置いていないようで、殺風景な部屋だった。
カメラが何台か大事そうにガラスのケースの中に収められている他は、
フィルムケースや現像された写真が机の上に無造作に置かれていて、
あとは小さな冷蔵庫とベッドだけ・・・。
壁には母が子供を抱いている写真が一枚飾られていた。


彼はあの部屋で日曜日だという事も忘れて現像しているのかな?
いや、おかしい!今までそんな事はなかった。
いくら現像に夢中でも電話の音には気付くはずだ。

ふと携帯の待ち受けの時計を見ると、いつもの時間から2時間経っていた。


やっぱり行ってみよう!!


どんどん大きくなる胸騒ぎにいてもたってもいられなくなって、
立ち上がり歩き始めた時、ある事に気付きハっとした。

私、毎週ここで彼と会っていたけど、
いつも約束をしていたわけじゃなかったんだわ・・・。

「休みは大概、ここで撮影しているんだ」

という彼の言葉で、なんとなく休日にはここに出かけてくるようになった。
そのうち、今度は海を撮りたいとか、
今だったら山にこんな花が咲いてると彼が言うので、
それに合わせて行動していたのだ。
彼について他の事は何も知らなかった。
約束もしてないし、彼が私と会う義務なんてないのだ。



急に胸がたまらなく痛んだ。
呼吸することさえ苦しい。
私はその場に立ちすくんだまま動けずにいた。
時間ばかりが過ぎていく。


どうしよう?どうしよう?どうしよう・・・?


でも、もしかして彼に何かあったのではないかと思うと、
もうそんな事はどうでもいいような気持ちになってきた。
そして次の瞬間、私は走り出していた、彼の家に向かって・・・。


彼のマンションの前についた。
ふと上を見上げて、ホントにここに来てよかったのかと自問自答する。
でも、どうやっても連絡を取れない彼と会うにはこうするしか仕方がなかった。
そう自分に言い聞かせ、エレベーターに乗り込む。
7Fのボタンを押し、上に表示されてる遅々として進まない
階を知らせるランプにイライラした。

しばらくすると、ポンっと音がなりエレベーターのドアが開く。
本当はとても焦っていたが、そんな気持ちとは裏腹にゆっくりとドアを出る。
自分の気持ちを彼に会う前に落ち着かせる為だ。
そしてそのまま彼の部屋の前まで歩き、表札を見上げる。

「朱 孝天」

そう書かれた表札を見た時、なぜだかその場から逃げ出したくなってきた。


もし、女の人が出てきたらどうしよう?


ふと、頭の中をよぎったそんな想いに、自分でも疑問を感じた。

ん?なんで女の人が出てくるの?
別に孝天に彼女がいたって不思議はない。
それは私には何の関係もないことじゃない!!

そう思い直して、またドアをみつめた。

よし、行くぞ!!

ゆっくり息を吸って、インターホンを押そうとした時・・・

「何してるんだ?」

後ろからの聞き慣れた声に、一瞬固まる。
私がゆっくりと振り返ると、手にコンビ二の袋を提げて
不思議そうな顔をした彼が立っていた。

「あ・・ええっっ?? なんで孝天ここにいるの?!」
「はぁ?? なんで? ここ俺ん家だから・・・。
ってかお前もなんでここにいるんだよ?」
「だって孝天、いつもの時間になっても来ないから・・・だから・・・」

ホッとした拍子になんだか涙が出てきた。
そしてどんどん溢れてくる。
押さえ切れないこの感情を、自分でもどうする事もできなくなっていた。


どうしよう?止まらない・・・。


「お、おい!!どうしたんだよ?!
お、俺何か気に障るような事言ったか?」

泣きじゃくる私を前に、彼は慌てふためいている。
私は首を横に振りながらも、溢れ出る涙と感情を止められずにいた。





「どうだ?少しは落ち着いたか?」

彼は少し呆れた顔でそう言って、
両手に持っていたマグカップのうちのひとつを、私に手渡した。
西に向いた窓には、さっきから降りだした雨が当たって音をたてている。

「うん、ごめんね・・・。」
「ホント、どうしようもないヤツだなぁ。
自分で今日は久しぶりの友達と会うからってキャンセルしてたクセに・・・。
それもすっかり忘れて、いつも通り待ってたのに俺が来ないもんで
慌ててココに飛んで来たって??? バカか、お前は!」
「だからホントにゴメンって・・・。
だってあの後すぐ、友達からのキャンセルが入って、
すっかり孝天に連絡したって思い込んでたんだもん。
それに携帯鳴らしても出ないし・・・だから、だから・・・」

また涙が出てきそうになって、その後の言葉を飲み込んだ。

「携帯鳴らしたのか?悪い!!
かかってくる宛てのない時は、家に置きっぱなしなんだ。
今日はもうお前からかかってくるとは思わなかったから。
・・・ってもう泣くな!!
お前に泣かれると、俺どうしていいのかわからなくなるだろ!!」
「・・・ゴメン。」
「ま、いっか。俺に何かあったんじゃないかって心配してくれたんだろ?
いつもは憎まれ口ばかりたたいてても、なかなかイイところもあるんだな。
それに会えないと思ってた日に会えると、いつもと違う感じがして、
なんか嬉しい気もするな♪」
微笑みながら言う彼。

「えっ?」

私が涙ぐんだ顔を上げると、彼は少し慌てたように

「今日はお前の面白い顔が見れないと思ってたから、
思いがけず見れてよかったってことだよ・・・」

と言って、自分が座っていたベッドのヘッドレストにカップを置き、

「な、なんか腹減らないか?」

と、再びキッチンに消えていった。

なんなの、それ???

机の前の椅子に座って彼がキッチンから出てくるのを待つ間、
机上に散らばった写真を眺める。
ふと見るとまだ髪の短い彼がたくさんの写真の中に見えた。

ん?どれくらい前の孝天かな?
スーツを着てるから、学生時分のじゃないよね?
案外最近の写真かもしれない。

そう思ってキッチンの方をその場から覗き込んでみると、
彼はなにやら料理をしてるようで、こちらの様子には気付かない。

ちょっとだけね・・・♪

少しワクワクしながら、そっとその写真をたくさんの写真の中から引き出してみる。

昔の孝天ってどんなだったの?

!! 私はその写真を見て凍りついた。

そこには髪の短い孝天と、髪の長いキレイな女性が仲良さげに写っていたからだ。

スーツを着て嬉しそうに笑っている彼は、今よりも少し大人に見えた。
そしてその彼はいかにも大事なものを抱いてるかの様に、
そのキレイな彼女を後ろから抱き締めている。
彼女は緩やかにカールした豊かで艶やかな髪を胸まで揺らし、
彼のそんな行動に「仕方ないなぁ、もう!」とでも言いたげに、
少しおどけて微笑んでいる。

それはどこから見ても、立派に幸せな恋人同士だった。

少し落ち着きを取り戻していた私の心臓が、再び早鐘のように打ちだした。
どうしていいのかわからなくなり、落ち着きがなくなる。
でもそんな自分に必死に言い聞かせる。

なによ!孝天に彼女がいてもおかしくないって、さっき思ったばかりじゃない!
なんで私がこんなに動揺するのよ!
落ち着け、私。
こんなことで動揺してるのが孝天に知れたら、
もう友達でもいられなくなるかもしれない!!
それだけは絶対にイヤ!!

一瞬間を置いて、そう思った自分自身に驚いた。


ええっ??
わ、私・・・ひょっとして孝天のこと・・・好き・・・???


今まで一度もそんな事考えたことなかった。
いや、きっと考えないようにしてきたんだ。
彼とずっと一緒に居たいから、
自分のそんな気持ちを見ないで済む様に蓋をしてきたのだ。

でも、もう無理かも?
だってこんなに胸が痛いんだもん。
孝天の横に女の人が・・・・・
そう思っただけで、もうどうしようもないくらい胸が痛む。


ダメだ!!これ以上ここにいたら、私の気持ちに気付かれてしまう!
そしたらもう今の関係も壊れてしまうわ!!!早くここから離れなきゃ!!

私はその瞬間立ち上がって、玄関に向かって歩き出した。
それに気付いて彼がキッチンから出てくる。

「オイ!! どこ行くんだよ?!
一緒に食べようと思って飯作ってるのに・・・オイ!!」
「ゴ、ゴメン。 私、ちょっと用事思い出したから・・・。」

私は振り向かずに答えた。
振り向いて彼が私の顔を見たら、きっと私の気持ちに気付いてしまう!
なぜなら、私の顔はまたしても涙で濡れていたから・・・。
声も上ずっている。 マズイ! 早くココを出なきゃ!!
私は引き止める彼の声を背にドアを飛び出た。
そして走り出す!!

はやく・・・早く!!

マンションを出た私は、強くなってきた雨に打たれながら走った!
そして、大通りに出る為に路地を曲がろうとした時、
後ろから誰かに腕を掴まれた。
驚いて振り向く。
するとそれは私と同じように雨に打たれ、びっしょりと濡れた孝天だった。

「どうしたんだよ、お前。何があった?!」

私の両腕を掴み、自分の方に私を向かせながら彼が叫ぶ。
そうだ、いつもそうだった。
彼はいつも私の事を心配してくれる。
そして私の気持ちを見透かすように私を見つめる。
私は彼に嘘がつけない。

でも、私の気持ちを彼に知られてしまっては、
もう彼の側にはいられないんだよね?
だったら私が嘘を突き通さなくっちゃ。
彼の澄んだ瞳に見透かされそうになっても・・・。
絶対に気付かれてはいけないんだ。
だって、彼の隣りに誰がいても、私は彼の側に居続けたいんだから・・・。
例えそれがどんなに苦しく辛い想いをしなきゃいけないとわかっていても!!


「なんでもないよ?大丈夫!!
実家に行かなきゃいけない用事があったのを急に思い出したの。
さっきメールしたから、もうそこまで親が迎えに来てくれてるんだ。
だから行くね?
あぁ、もう孝天までこんなにびっしょりになっちゃって・・・。
早く帰って!風邪ひいちゃう!!」

精一杯微笑みながら、私はいつも通りの口調で言った。

「ホントか? ホントになんでもないんだな?
大丈夫なんだな? お前、何か隠してないか?」

また見透かすような、彼の真っすぐな視線。

「ホントだよ~~! でも惜しかったな、孝天の手料理食べ損ねちゃった。
今度また作ってくれる?」

おどけたように言う私に安心したのか、彼もいつもの憎まれ口をききだした。

「さぁな? お前にちょっとでも可愛い気がでてきたら考えてやってもいいけど?」
「ひどいなぁ!!私はいつでも可愛いです!!」
「そうか?? 俺にはそうは見えないけど・・・クックック」
「孝天の前だからかもしれないよね??」
「ハァ?!」
「ホラ、もういいから早く帰って!! 料理の方は大丈夫?」
「ああ~~~!!ヤバイ!! 鍋かけっぱなしだ! お前のせいだからな!!」
「ごめんごめん。 さぁ、早く行って!」
「ああ、お前も気を付けて帰れよ!
ちゃんと親孝行するんだぞ! じゃあな!!」



私は彼の慌てて帰っていく後姿を見ながら、
これでよかったんだと自分に言い聞かせていた。

今日が雨でよかった・・・
この強い雨のお陰で涙に気付かれずに済んだ。

これからはずっとこんな日が続くのだろう。
でもこれは私が選んだ道。
引き返すことはできない。

でも大丈夫!!私はきっとうまくやれる。
だって私には、孝天のいない日々より他に怖いものなんてないんだから・・・。

また雨が強くなった。
私の心を知るかのように・・・。





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