ここはF4のことが大好きな私たちの頭の中で、日々繰り広げられているF4ワールドを公開している ブログです。 よろしければ一緒にスーワールドへ、迷い込みませんか?

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『 Back to Back』 ~ scene 1 ~

...2009/05/16 23:29...



~scene 1~



店内に気だるく流れるジャズ。
それと共に揺れる、グラスの中の琥珀色した怪しげな液体。



場末のバー。 
薄暗いカウンター。



ワタシの耳には、周りのざわめきも、
目の前でマスターが振るシャイカーの音も聞こえない。








グラスの中でカランと音をたてて氷が転がると、
私はその液体をグイっと喉の奥に流し込んだ。



「マスター、おかわり。」



グラスを差し出す腕も重いくらい、
怪しい液体は私の体に沁み込んではいたが、
私の頭は悔しいほどハッキリしている。
いっそのこと、何もかもわからないくらい壊れてしまえれば楽なのに・・・。



「今日はちょっと飲み過ぎなんじゃないの?
 薄くしておく?」



気のよさそうなマスターは、
私のグラスを自分の手元に引き寄せながら言った。



「いいの、大丈夫。 ロックでお願い。
 ちゃんと大人しく飲んでるからさ。」



マスターの顔を見ずに答える。



「そうじゃなくて・・・。」



マスターは心配そうな表情で私を見ながら、
仕方なしにボトルの蓋を開け、トクトクと音をたてながら、
グラスを満たしていく。



「ありがと、ごめんね。」



マスターが差し出したグラスを受け取り、
また空っぽの心にその液体を流し込む。








今はこれといって不満があるワケではなかった。
全てがこんなもんなんだろうと思う。
何かがおかしい、どこか間違ってると思っても、
私一人が声をあげたところで、どうにかなる世の中でないこともわかっていた。
この狂った世界では、私の方が異端児なのだということも・・・。



ただ、時々どうしようもない虚脱感、空虚な感じが体いっぱいに広がって、
虚しくなり、自分のことが許せない気分になってしまうのだ。
そんな時はここに来て、この液体を流し込むに限る。
そうすれば少しくらいは、
そんな自分のことを忘れてしまうことができそうな気になるから・・・。








「彼女~、気持ちいいくらいにグイグイいってるね~。
 どう? 俺たちと一緒に飲まない?」



頭の軽そうな男が私の横に滑り込み、
ペラペラとその口を動かす。



「ねぇ、彼女。 シカとすんなよ~。
 可愛い顔してんね? 一緒に飲もう♪」



私はそれでも無視をし続けた。
無視をし続けるというよりも、
私の世界にこの男は存在していないのに等しいと言った方が正しいだろうか。



「寂しいな~。 一言くらい話してくれてもいいじゃん。
 何かイヤなことでもあったの?」



私の肩に男の腕が乗せられると、瞬時にして私の顔色が変わる。
今までいっさい視界に入れてこなかったこの男を、初めて視野に入れた。



「触んないで。」

「はぁ?!」



男の顔が歪む。



「気安く触んないでって言ってるの。」

「なんだとぉ~?」



斜交いに構え、軽々しく口をきいていた男が、私と真正面から向き合う。



「どっかに失せてよ、鬱陶しい。」

「・・・・・・!!」



おもむろに振り上げられたソイツの拳を、
私はなんの感情も持たずに、ただ見ていた。
すると・・・・・。



「やめとけ。 今ならまだ間に合う。」



誰かがその男の後ろに立っていた。
ふと見ると、鬱陶しい輩の手をその誰かが捕らえている。



「この女はお前の手に負えるような女じゃない。」



頭の軽そうな男の傍に立つ、大きな男。
表情こそ穏やかだったが、その瞳は冷たく光っていた。
やがて私はその瞳に釘付けになる。



「放せよ、オラっ!!
 この女は俺らが先に目をつけたんだ!
 引っ込んでろっっ!!」



男は手を振りほどき、大声でわめき散らした。
仲間の男たちがおもむろにテーブルから立ち上がると同時に、私も立ち上がる。
そんな私を手で制し、私の目の前に立ちはだかったその大きな男は言葉を続けた。



「お前らはこの女を食うつもりなのかもしれないが、
 食われるのはお前らの方だ。
 抜け殻になる前に、手を引いとけ。」

「っんだとぉ~?! お前誰だ??
 俺らとやり合う気なのかっ?!」



躍起になる男たちを前に、表情ひとつ変えないこの男。
ホント・・・・・、一体、何者?



「俺を敵に廻すのも考え直した方がいい。
 その方が身の為だ。
 俺の言ってることが理解できるか?」

「オイっ!!」



飄々としたその態度に、真っ赤になった男たちがテーブルを倒しかけた時、
マスターがカウンターの中から、慌てて出てきた。



「本当にやめておいた方がいい!!
 お前たちも名前くらい聞いたことがあるだろう。
 コイツは朱孝天だ。」



マスターがその名前を口にした瞬間、
男たちの顔色が一気に変わる。
ワナワナと唇を震わせ悔しそうにしながらも、
その顔には恐怖の色が広がっていた。



「そ・・・それがどうしたっ?!」



威勢よく言った言葉とは裏腹に、その体はすでに腰が引けている。



「どうもしない。 
 そんなに熱くならずに、大人しく帰った方がいいってことさ。」



そう言った男は私の腕を掴み、奥の方へと導こうとした。
その時。



ドスっという鈍い音に驚いた私が振り返り見たものは、
頭に血が上り、大声で勢いよくまくしたててた男が、
身を折り曲げうずくまっている姿だった。



傍にいた男を見上げると、凍るほどの冷たい視線を、
彼に向かって投げかけている。
しばらく無言で立っていたが、連れの男たちに視線をやると、
その男たちがビクっと身構えた。
その様子にニッと軽蔑の笑みを浮かべると、こう投げかける。



「ほら、友達なんだろ?
 ちゃんと家まで連れて帰ってやれ。
 明日は少し痛むかもしれないが、病院に連れて行くほどでもないだろう。」



そして私の背中を押して、奥のテーブルに連れていき、
目の前に私のグラスを置く。



「ここなら静かに飲めるし、
目の前にマスターもいないから飲み過ぎることもないだろう。」



そう言うと、彼は私の横に腰を下ろした。



私はことの流れが早すぎて呆気にとられていたが、
なんとなく面白くなかった。



煩わしい。



「何? アンタ、一体なんなの?」



その男は私に少しの視線もくれず、マスターに向かって合図をした。
するとマスターがすかさず彼のグラスを運んで来る。



「飲むんなら向こうに行ってよ。 目障りだわ。」

「悪いがココは俺の指定席だ。
 煩わしいなら、俺のことは無視して飲めばいい。」



自分のグラスの中に漂う液体を眺めながら、
その男は淡々と答えた。



なんだかムカつく。
コイツの傍にいると、胸の中がザワザワして息苦しくなる。



私はグラスを掴みグイっと飲み干すと、勢いよく席を立った。



「マスター、帰るわ。
 また来るから、お代はその時に。」



そして男の顔も見ず、私はテーブルを後にする。



ドアに向かって1~2歩歩き始めた時、
その男の低い声が私を呼び止めた。



「誰が・・・・・。」



私は振り返り、あの冷たい瞳を見る。



「誰がお前にそんな瞳をさせるようになった?」



私の心臓が一瞬にして止まる思いがした。
男と私の間にしばしの沈黙。
視線の絡み合う時間が続いた。



「さぁね。 アンタには関係のないことだわ。」



やっとの思いで、そう突っぱねた私。
男はフッと笑みを浮かべ、一言、



「そうだな。」



と答え、再びグラスをカラカラと鳴らしながら、
その液体を味わった。



店のドアを押し開け狭い路地に出ると、ヒヤッと冷たい冬の風。
ドアが閉まる瞬間、彼の視線を感じた気がしたが、
私はとにかく家路に着くことしか考えなかった。



できるだけ危険なところには身を置かない、近づかない。



幼い頃から独りで生きてきた私の鉄則だった。



でもなぜか、あの男には再び出会うだろう予感はした。
それはほとんど動物的な勘に過ぎなかったけど・・・・。



また夜が明ければ、昨日と同じ一日が始まる。
過去のことは全て捨てて、何もない毎日を過ごせばいい。



見上げた空に浮かぶ三日月だけが、
そんな渇いた私を見守っていた。



                           ~~ to be continue ~~






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