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『Candle Light』

...2009/05/17 16:29...

『Candle Light』




「はぁ~、今日も遅いのかな~??
 一人でご飯食べるのも寂しいから、帰ってくるの待ってようかな・・・。」



窓の外の街灯を眺めながら、
自分の重い気持ちを吐き出すように、ため息まじりの独り言をこぼしてみる。









もう、何日まともに顔を見てないだろう。
仕事柄、彼と私はまったく正反対の生活をしていた。
彼の提案で一緒に住み始めてみたものの、
以前とはあまり変わり映えのしない毎日を送っている。


それでも私は彼が楽しそうにピアノを弾いている姿を見てると、
寂しいとは言えなかった。
彼のそんな姿が大好きだったから・・・・・。



なんにでも全力で取り組む彼。
私が朝、目覚めた時も、一心不乱にピアノに向かっていることもある。
そんな背中を眺めていると、あふれ出てくる愛おしさとともに、
「私の方を向いて!!」
そう言って、その背中にすがりつきたくなる気持ちもこみ上げてくるのだった。




「旭・・・・・寂しいよ。
 離れて暮らしていた時よりも、一人ぼっちになった気持ちになっちゃうのはどうして??」



そう呟くと、知らず知らずのうちに涙が頬を伝っていた。



そんな時、ふとテーブルの上に置いていた携帯が鳴る。
旭からのメールだった。
慌てて駆け寄り、開いてみる。
すると、携帯の画面には一言だけの文章。



『ココに来て。』



不思議に思い、その下をずっとスクロールしていくと、
今晩彼が演奏をしているであろうお店の名前と住所があった。




なんだろう?? 何かあったのかな?



でも文章から察するに、慌てるほどの大事が起こったワケではないようだ。
それに私がそこに辿り着く頃には、もう彼の演奏も終わっているはず。




『どうしたの?? 何かあったの??』



そう返してみるものの、しばらく待っても彼からの返信はなかった。



仕方ないな~。 行ってみるしかないか・・・・。
私は彼の意図が掴めないながらも、出かける仕度に取り掛かった。







1時間後、私はあるしゃれたレストランの前に立っていた。
表の灯りはすっかり落とされて、
すりガラスに透けた店内からわずかに漏れる光だけが私の足元を照らす。


しばらくの間、入っていいものかどうか戸惑っていると、
ふいにドアを開ける音と共に、目の前が明るくなった。



「入れよ。 そろそろ来る頃だと思ったんだ。」



驚いて顔を上げる私の前に、タキシードに身を包み、私に微笑みかける旭が立っていた。



私は何も言葉を返せないまま、彼に促されるままに店内へと入って行く。
肩に置かれた彼の手が、なぜだかとても懐かしいような気がした。



少し薄暗い店内には、いくつかの丸いテーブルとそれを囲むように置かれた椅子。
そして一番奥には、一段高くなったステージの上に大きなグランドピアノ。
その巨大なオルゴールはスポットライトに照らされて、キラキラと輝いて見える。



旭は私をそのピアノの真ん前にあるテーブルに案内し、そして座らせた。



まるで夢の中にいるかのような錯覚に陥りながらも、
私は彼の動きを目で追う。



私を席に座らせた彼は、微笑みをひとつ残し、
真っ直ぐピアノに向かって歩いて行った。



ピアノの前に座った彼は、いつものように鍵盤に指を乗せ一呼吸おくと、
キレイな音色を奏で始める。
私は目を閉じ、忘れられないあの日の事を思い返していた。



彼を傷つけ、海に逃げた私を迎えに来てくれた旭が、
黙ったまま私を連れて行ったオープンカフェ。
今日と同じように何も言わず、私の為にピアノを弾いてくれたっけ・・・・。
その音色が私を包むように響き、心に沁みてきたんだった。



彼のピアノは私を胎児に戻す。
私は暖かい羊水にスッポリと包まれ、安らかに夢を見る赤ん坊になるのだ。
心地よい揺らぎに身を任せながら・・・・・。




そんな穏やかな気持ちになって、ふと微笑みをこぼしかけた時、
旭は最後の鍵盤にゆっくりと鍵盤を下ろし、そして時を止めた。




二人の間に言葉はなかったけれど、春の木漏れ日のような暖かさが漂っている。
閉じていた彼と私の瞳が同時に開き、そしてその視線が重なり合い、フッと緩む。



「ごめん、眠かったろ??」



旭は少し申し訳なさそうに首をすくめて見せる。



「ううん、 嬉しかった。
 お招きありがとう、ピアニストさん♪」



私がそう言うと彼の頬に、照れくさそうなえくぼがふたつ。



「一度、お前にも見てもらいたかったんだ。
 俺がどんなところで仕事してるかって・・・・・。」

「・・・・ステキなお店ね♪
 いつもなら旭のファンがいっぱい来るんじゃない??」

「まさか!! ココは恋人同士で来るところだよ。
 俺はいるのさえ気付いてもらえない、単なるBGMさ。」



そんなはずがない。
きっと彼のファンは数え切れないくらいいるはずだ。
でも、そんな事にトンと疎いのがこの人。
自分がどれだけ人目をひくのか、
自分の演奏がどれだけ人を感動させているのか分かってないのだ。
ホントにニブいんだから・・・・・。



旭は愛おしそうにピアノを撫でると、ポツポツと言葉を漏らし始めた。



「仕事で演奏しながら恋人たちを見る時、いつもお前を思い出す。
 そしてたまらなくお前に会いたくなるんだ。
 一緒に暮らしてるのにおかしいな。」



私は思いがけない彼の言葉に驚いた。
彼は仕事をしてる時、ピアノの事以外、何も考えてないのだと思っていたから・・・。



「ピアノ弾きながら私を思い出すの??」

「うん。 今頃なにしてるだろう?
 一人でメシ食ってんのかな? もう寝たかな??ってね。」



私が驚きで何も言えないでいると、旭はステージを降り、
私の傍に椅子を持ってきて座った。
そして私の手をそっと握って囁く。



「お前、知らないだろ?? 
 俺がどんなにお前の事を想ってるか・・・。
 お前といると、俺がどんなに幸せな気持ちになるか・・・・。」



そう言った彼の瞳の中に私が映ったかと思うと、すぐに幕が降りその顔が近づいてくる。
彼の暖かい唇が私の唇と重なったその瞬間、
彼の気持ちが私の中に流れ込んできた気がした。
暖かい何かが私の中でいっぱいになり、そして私はその何かで充たされる。
そしてそれは留まるところを知らず、私の瞳から溢れ出てきた。



そっと唇を離した旭が、おでこを私に寄せながら呟く。



「泣くなよ。 寂しい思いをさせてごめん・・・・。」



私はその時、初めて気付いた。



寂しい思いをしてるのは私だけじゃない。
会えない時は、旭も寂しいんだ・・・・・。



「ごめん、ごめんね。 私一人が寂しいんだと思ってた。
 旭にも寂しい思いをさせてたんだね。」



涙声でそう言った私を、彼がスッポリと抱きしめる。
まるで彼のピアノの音のように・・・・・。










「なぁ。」

「なぁに?」



二人は並んで座り、テーブルの上に揺らめくキャンドルの灯りを見つめていた。
私の頭を預けた彼の肩から、優しく響く彼の声。



「これからは時々こうやって、二人の時間作ろうな。」

「うん。」



二人の後ろには、キャンドルの映し出した影がひとつ。



また寂しくなったら、二人でキャンドルを灯そう。
二人がひとつになれる魔法をかけてくれるキャンドルを・・・・・。





                              ~ END ~




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