ここはF4のことが大好きな私たちの頭の中で、日々繰り広げられているF4ワールドを公開している ブログです。 よろしければ一緒にスーワールドへ、迷い込みませんか?

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『Love you always 』

...2009/05/17 23:17...








『久しぶりに外で会わない?』



オフィスのデスクでパソコンに向かい、
眉間にシワを寄せる私の携帯に届いたメール。



「・・・どうしたんだろ?」



私はキーボードを叩く手を止め、彼に返信する。



『どうしたの? 珍しいねw』



送信ボタンを押すと、再びパソコンの画面を睨みつける私。
ほどなくしてまた携帯がデスクの上で震えだした。



『たまには違う俺も見せたいからね♪
それに家にいると、お前パソコンから離れなさそうだし・・・(笑)。』



添付された彼のふくれっ面が写る写メ。
思わずプッと吹き出してしまう。
彼は私を楽しませる天才だ。



『わかったw で? どこに行くの?』



今度は携帯を手にしたまま、彼からの返信を待つ。



おしゃれなレストランにでも連れてってくれるのかしら?
彼ってばロマンティストだからな~。



スグに返ってくる返信メール。



『仕事が終わったらココに来て。
 楽しみにしてろよ♪』



お店の名前と住所が添付されている。
どうやらレストランではなさそうだ。



ヴァネスったら、えらくはりきってるな~。



思わず苦笑いを漏らした私に、背後から上司が声をかける。



「今度の会議の資料だけど・・・・。」

「あっ・・・はい!」



ふと視線を上げると上司の肩越しに、少し離れた窓辺にいるヴァネスが
私に向かって投げキッスを送っているのが見えた。



「バカ・・・・。」

「ん? なにか?」

「い・・・いえ、すみません!!」



私は真っ赤になって、俯いた。



アメリカ生まれの彼は、私を驚かせるのも得意だ。
そんな彼に私はどう接していいのか戸惑うばかり。
いつも彼のペースに乗せられてしまう。
でも私はそんな彼に惹かれていた。










「はぁ~、やっと終わった・・・。」



立ち上がり背伸びをする私。
シンと静まり返ったオフィスには私以外の人の影は見えない。



「そろそろ帰ろうかな・・・・。」



ふと壁にかかった時計を見て、何か忘れてるような感覚に襲われる。



なんだったっけ・・・何か忘れてるよね・・・・・。
あっ!! いけないっっ!!



ヴァネスとの約束を思い出し、
私は傍にあったバッグを手に取り、慌てて会社を飛び出した。










「たぶんココよね・・・?」



私は携帯片手に、ある雑居ビルの前に佇んでいた。
いつも彼が連れて行ってくれるような、落ち着いた感じのお店とはまた違う。
キラキラとしたイルミネーションで飾られた入り口が、
地下へ向かってポッカリと口を開けていた。



「ココで間違ってないよね・・・?」



何度も携帯の中に残された彼のメールと、そこに掲げられた店名とを見比べる。
そして間違いがないことを確かめるとひとつ深呼吸をし、
意を決して地下へとのびる薄暗い階段を一歩一歩下りていった。



近づくにしたがって、足元に響く重低音のリズム。
それを打ち消すかのように、興奮した大きな歓声も聞こえる。
この手の店に来たことのない私は、普段にないくらい緊張していた。



ドアを開けて、そこにヴァネスがいなかったらどうしよう・・・?



私の心臓はそんな不安にドキドキと高鳴った。



そしてドアを開けた瞬間、私を押し流すように押し寄せてくる大音響の波。
私はよろけそうになった体を、やっとの思いで支えた。



一歩ずつ店内に入っていく私。
少し進むとそこには長いカウンターがあって、背の高いスツールがいくつも並んでいる。
カウンターの中では2人のバーテンダーが忙しそうにシェイカーを振っていた。



そのカウンターに近づき、とりあえずスツールに腰かける私。
その瞬間、一人のバーテンダーが声をかけてきた。



「いらっしゃい。 何か飲む?」



音の洪水の中、ニッコリ微笑まれ、なんと言っていいのか戸惑っていると、
後ろからまた違う男に声をかけられた。



「キミ、初めて?」



その声に驚き振り返った時、高いスツールの上、
バランスを崩しそうになった私は咄嗟にその人の肩に手をかけた。



「ご・・・ごめんなさい。」



慌てて手を引っ込め、俯いた私に優しく話しかける男。



「大丈夫だよ。 で、なに飲む?」

「あ・・・。」

「俺が頼んでもいい? ココのカクテルうまいんだぜ♪
 タクちゃん、いつものスペシャル作ってあげてよ!」



私の返事も聞かずに強引にオーダーした男の顔を見上げる。
今風の端正な顔立ちをした人だ。



「一人で来たの? ココに一人で来る女の子は珍しいな。」

「いえ・・・待ち合わせを・・・。」

「えっ?! なに??」



耳を劈くような音が溢れるこの場所で、私の声は彼に届かなかったようだ。
彼が私の声を聞き取ろうと、顔を思いっきり近づけてきたので私は咄嗟に下を向く。
そんな私を見て、男はフッと笑い私の髪を撫でた。
手が触れた瞬間、私の体が固くなる。



「キミ、可愛いね♪
 この店の客では珍しいタイプだw
 どこから迷い込んで来たの~?」



そう言って彼はカウンターの中のバーテンに目配せした。



そんな私の前に差し出されたキラキラと紫色に輝くカクテルグラス。
緊張で喉がカラカラだった私は、それを一気に飲み干す。
「ヒュ~♪」という男の感嘆の声。



「キミ、けっこうイケるくちなんだね♪
 タクちゃん、もう一杯!」



男が親しげに声をかけてくれるほどに、私の中には不安が広がる。
私は心の中で、早くヴァネスが迎えに来てくれることを祈っていた。



「オイ、誰にでもそうやってちょかいかけるの、やめとけよ。
 また彼女と揉めるぜ?」



今までずっと黙って、私と彼の様子を見ていたバーテンが男をたしなめる。



「は? 香織のことか?
 アイツなら今日はヴァネスに夢中じゃん。
 俺なんか眼中にないって♪ お互いさまだよ。」



そう言って笑った男の言葉に、懐かしい名前を聞いて心が躍る。
慌てて彼が視線を送るその先に目をやってみると、そこには大きなフロア。
大勢の人がその奥にあるステージ上で踊る男たちに歓声をあげていた。



ヴァネス・・・・・。



私は思わず目を見張る。
いつもの冷静沈着な仕事の時の顔とも違う。
私を包み込むような優しい表情とも違う。
私の知らない彼がそこにいたからだ。



チカチカと煌くライトの下、
イキイキとした表情で、観客たちに向かって挑発的に踊るヴァネス。
艶かしいほどの妖艶さを感じるその視線。
官能的に揺れる体。
キラキラと飛び散る汗。



そこにいる全てのオーディエンスは、彼の醸し出す独特の世界に酔いしれ、
恍惚とした表情を浮かべながら、口々に彼の名を叫んでいた。
そんな私も、今まで見たこともない彼の姿に釘付けになる。



「でも珍しいよな、ヴァネスが週末にココに来るなんて・・・。
 しばらく平日にしか来てなかったのにさ。
 それもココんとこ、ずいぶん回数が減ってただろ?」

「ああ。 だから平和だったのにw
 アイツが来たら、女みんな持ってかれちまうからなw
 タクちゃんも・・・だっけ?」

「ははw ・・・もう昔のことだよ。
 ま、相手がアイツならわからなくもないかな。
 男の俺から見てもカッコいいから。」



私の心臓が、二人の会話にズキンと痛む。



ヴァネスが私以外の人と・・・・・。



過去のことだ。 私と出会う前のことだ。
そうわかってはいても、私の心は尋常でないくらい落ち着かなかった。



いつもこっちが戸惑うくらい、ストレートに気持ちをぶつけてくるヴァネス。
常に痛いくらいの愛を私に注ぎ込んでくれた。
時々、その溢れる愛に溺れて、息もできなくなってしまいそうになる。
だから私は安心しきっていた。
彼が私以外の人といることなど考えたこともない。



でもそれは当たり前のことだった。
私だってヴァネスが初めての恋人というワケではない。
この年まで生きていれば、恋人の一人もいないことの方が不思議だろう。
ましてや彼は男女問わず、誰にでも好かれる魅力の持ち主だ。
おかしいことなど何もない。



わかってる・・・わかってるんだけど・・・・・。



生まれて初めて感じる熱く燃えるような想いで、体が震える。



「ん? どうしたの?
 震えてるじゃんw」



ニヤリと笑ったその男が私の肩に手をかける。
その瞬間、フロアで大きな歓声があがった。



視線を戻すとステージに一人の女性が上がっていた。
グラビアに出てきそうなほどハッキリとした顔立ち。
長い手足にグラマラスな体。 
美しいだけでなく、独特な色気も醸し出している。
そんな彼女がクネクネと体をくねらせながら、ヴァネスの体にまとわりつく。
ヴァネスは彼女を優しく受け止め、後ろから抱え込むようにしてリズムをとる。
一定のリズムに乗って妖艶に動く二人の腰。
彼女の腕がヴァネスの首筋から頭にかけてセクシーに絡みつき、
ヴァネスは彼女の耳元に唇を寄せ、誘うような仕草。



やめて・・・・・!!



心の中で私の悲痛な叫びが起こる。



その腕は・・・いつも私を包み込んでくれる。
その胸は・・・いつも私を受け止めてくれる。
その唇は・・・いつも私を捕らえて・・・・愛を囁いて・・・。



見たくないのに・・・嫌なのに・・・・。
なぜか目が離せない。 釘付けになる。



私は無理やり視線をはずし、二杯目のカクテルを飲み干した。



「久しぶりだな、あのカップリング♪
 やっぱあの二人には誰も敵わないってか・・・。
 アイツら、絶対付き合ってると思ってたんだけどなw」

「う~ん・・・彼女はゾッコンだったみたいだけどな。
 ヴァネスはどうだったんだろ?
 彼女に言い寄られて堕ちない男はいないからな~。
 案外、ヴァネスも・・・・。」

「もう一杯下さいっっ!!」



自分でもビックリするくらい大きな声。
もうそれ以上のことを聞きたくなかったのだ。
目の前の男たちは目をまん丸にして、震えながらグラスを突き出す私を見つめていた。



「お・・・お嬢さん。 
 コレは口当たりが甘くて飲みやすいけど、けっこう・・・。」

「おぉ!! なかなかイケるね~♪
 いいじゃんか、タクちゃん。 
 もう一杯くらい作ってやってよ♪」



私の肩に手をかけた男が、バーテンに目で合図をして促した。



「お前は・・・・。 もうどうなっても知らないからなっ!!」



カウンターの中で怒ったようにそう言ったバーテンが、
またシェイカーを振り、魅惑的な色のカクテルを私の前に置いてくれる。
私はまたそれを一口で飲み干した。



「どうしたの? 何か嫌なことでもあった?」

「放っといて下さいっ!」



肩に乗せられた男の手を払いのけようと体を捻ったその時、
急に自分の周りの世界に靄がかかり、体が揺れだした。
ふらついた私を受け止める男。



「おっと! 大丈夫?」



体の自由が利かなくなり、男にしなだれかかるしかない私。
なんだか情けなくて涙が出てくる。
そんな時、再度大きな歓声があがり、
バックに流れてた音楽が少しおとなしめの曲に変わった。



「はぁ~、喉渇いた♪
 タクちゃん、水ちょうだい!」



聞き覚えのある声が私の傍で響く。
その後ろからかぶさるように女の人の声。



「タクちゃん、私も♪
 はぁ~、久しぶりにヴァネスと踊った~!
 やっぱり気持ちいいね♪」



私の体がビクンと跳ねる。



「キミ! 大丈夫?」

「ほら~、調子こいて飲ませ過ぎてんじゃね~よ!」

「・・・あれ??」



肌に馴染んだ手で肩を掴まれ、顔を覗き込まれる。



「お前! なに飲んだんだよ?!」



私は力の入らない体に最後の力を振り絞って、
責めるようにそう言ったヴァネスの手を払いのけた。



「私のことは放っておいて!」



私は今まで傍にいた男の肩に手をかけながら、
高いスツールをやっとの思いで降りる。
ふらついた足で、奥にあるであろう化粧室に向かって歩き出した。



後ろではヴァネスの怒鳴る声が聞こえる。



「おい!! アイツになに飲ませた?!
 なんであんなになるまで飲ませるんだよっ!!」

「いや・・・彼女、強そうだったもんだから・・・。
 ヴァネスの連れって知らなかったし・・・ごめん。」

「だから言っただろう・・・。」

「タクちゃんだって、作って出したじゃん!!」

「あ・・・あれはお前がっ!!」



そんな声を背後にフラフラとふらつく私を抱きとめる優しい腕。



「大丈夫か? 俺につかまれ。」



私はそんなヴァネスの顔を、潤んだ目で睨みつけながらその手を払う。



「放っておいてって言ったでしょ~。」

「何怒ってんだよ?」

「べ~つに~。」



そんなやりとりをしながら、ようやく化粧室に辿り着き、
まだ何か言いたそうなヴァネスの鼻先でドアを閉めた。



洗面台の鏡の中、情けない女の顔が見える。



「ホント・・・何やってんだろ、私・・・。」



そう呟くと同時に目から涙が溢れ出した。
何がなんだかわからない。
初めて湧き起こる激しい感情に、私自身がグルグルと振り回されてる気分だ。



普段は仕事にかまけてヴァネスに気を配ってないクセに、
こうやって彼の周りに女の人の気配を感じると不安になる。



私にとってヴァネスが傍にいることはごく当たり前のことだった。
いや・・・・・当たり前のことだと思っていた。
でも本当は違うのだ。
彼が傍にいてくれて、私を柔らかく暖かい愛情で包み込んでくれる。
それはヴァネスの気持ちひとつで崩されてしまう脆いものなのだ。



彼が私の元から離れ、他の女の人と・・・・・。
そう考えるだけで私の心はこんなにも乱れ、絶望に打ちひしがれる。
なのに私は、彼のことをなんとぞんざいに扱ってきたのだろう。



ヴァネス・・・大好き。
愛してる・・・・・。



私は自分の愚かさに涙が溢れるのを抑えることができなかった。













しばらくの間・・・随分長く感じる時間をそこで過ごした。
朦朧とする頭の中、何度も何度も繰り返されるヴァネスと彼女のダンスシーン。
悔しいけれど太刀打ちできないと思った。
あの二人の間には、私の入り込む隙などどこにもないように思えた。



今日はとにかく帰ろう。
もう今は、何も考えられない・・・。



そう思いドアを開けるとそこには、狭い通路の壁にもたれかかり、
腕を組んで私を見つめるヴァネスが立っていた。
私はそんな優しい彼の眼差しにどうしたらいいのかわからず、視線を逸らす。



「どうした? なにかあった??」



私の素っ気ない態度にも、いつもと変わらないヴァネス。



「さっき、なんでもないって言わなかったっけ?」



そっぽを向きながらそう言った私。
素直になれない私は、最低な女だ。



「えらくご機嫌ナナメだな、お姫さま。 それは俺のせい?」

「なんでもないって言ってるでしょ!」

「だったら早くご機嫌直せよ。」



そう言って近づき、私の頬に手を当て額にキスをする彼。



「やめて!!」



思わず彼から体を離した瞬間、後ろによろめく。
そのまま壁に体を預けながら、私は堰を切ったように叫びだした。



「私なんかに構ってないで、早く彼女のところに行ったら?!
 あの人の方があなたには、私よりよっぽどお似合いよ!
 大体、私なんかがあなたと付き合ってること自体、間違ってるんだわ!
 早く・・・早く彼女のところに行ってよっ!!」



私・・・・・何言ってるの?? 
なんで素直になれないのよ・・・・最低。



酔いにまかせてそう口走ってしまった自分に、後悔の嵐。



けれど私がそう言った途端、
今まで優しく見つめていたヴァネスの表情が一変する。



「・・・・・今、なんて言ったの?
 その言葉、聞き捨てならないね。」



感情を抑えるようにそう言った彼の瞳は、
今までに見たことのない視線を私に投げかけていた。
そして私の腕を強く掴むと、更に奥へ続く通路を進んでいく。



「なにっ?! どこに連れて行くの?
 ヴァネス、痛い! 放してっっ!!」



私がどんなに泣き叫んでも緩められることのない大きな手。
私は目の前に見えるこの見慣れたはずの背中が、
ホントにヴァネスのものなのかどうか、わからなくなって混乱した。



少し奥まったところにある暗い一室。
ヴァネスはそのドアを開けて入ると、中から鍵をかけてしまった。



「何をするのっ?!」



強く掴まれていた手を振りほどいて、彼に向かい叫ぶ私。
そんな私にはお構いなく、ヴァネスは無言で少しずつ私との距離を縮める。
私はジリジリと焦げ付くような彼の視線に威圧されて、一歩ずつ後ずさった。
すると何かに足が引っかかり、そこにあったソファの上に転がる。
それでもなお、私から視線を外さずに近づく彼。
そしてとうとう私の上に覆いかぶさるようにして両脇に手をつき、
キスをされるかと思うほどの至近距離に、その顔を近づけた。



「さっき、なんて言ったの?」

「な・・・何が?!」



これはヴァネスじゃない。
いつものヴァネスなら、恐怖を感じるほどのこんな冷たい視線を私に投げたりしない。



「俺とお前が付き合ってることが間違ってる?
 そんなこと、本気で言ってるの?」



怖い・・・。
太陽のように笑ういつものヴァネスはここにはいない。
助けて・・・助けてっ!



瞳を覗き込むような彼の視線。
私の本心を引き出そうとしているの・・・?



「それは・・・。」

「俺の・・・お前に対する気持ちが間違ってるって言うのか?!
 それともお前が俺と別れたいと思ってるのかっ?!」



怒りに満ちた視線。 荒々しい声。
いつもとは違うそんな彼の視線と声色に、
私の心は張り裂けそうになっていた。



どうしよう・・・あの優しいヴァネスを怒らせた・・・。



涙が次から次へと溢れ出てくる。



「ちが・・・そうじゃない・・・。
 ヴァネス・・・・お願い・・・怒らないで・・・。」

「今さら泣いたって許さない・・・。
 本心じゃないと言って。 
 そんなこと、これっぽっちも思ってないと言うんだっっ!!」



怒りで肩を震わせるヴァネス。



「ごめんなさい・・・あんなの嘘よ・・・。
 これっぽっちもあなたと・・・離れることなんて考えてない。
 嫉妬・・・嫉妬したの。」



私はとうとう両手で顔を覆って泣き出した。
これ以上、彼のこんな視線を受け止めることはできなかったから・・・。



ヴァネスがそんな私を抱き締める。
フワッと包み込む優しい腕。



「嫉妬? 何に嫉妬するんだ?
 俺はいつもお前のことを想って生きてる。
 これ以上、何を望むんだよ?
 俺のお姫さまは欲張りだなw」



そう言って私の耳元に微笑をひとつ落とした彼は、いつものヴァネスだ。
優しい声。 暖かい腕。
私のヴァネス・・・。
彼の背中に腕を廻し、その逞しい胸に顔を埋めると、体中に広がる幸せ。



「だって・・・彼女とあなたが踊ってる姿が、あまりにもキレイで・・・。
 私はダンスが踊れないんだもん・・・。」



私を抱き締める彼の柔らかな髪が、私の頬をくすぐる。
ヴァネスは少し体を離し、私の顔をおかしそうに覗き込みながら言う。



「ん? ダンス踊れなかったっけ?」

「踊ったことないよ・・・知ってるでしょ。」



安心感から少し拗ねた顔をして見せると、
彼はニヤっと笑って、私の鼻に自分の鼻をくっつけた。



「お前はホントに嘘つきだな。 いつも踊ってるだろw」

「うっそ~、いつ?? どこで?!」

「ベッドの上・・・俺の腕の中♪」



その言葉の意味を察して真っ赤になる私を、おかしそうに眺める彼。



「イヤだ・・・何言ってるの?!」



ヴァネスの胸を叩こうとした私の腕を掴み、
優しい笑顔で私を見つめる。



「俺の腕の中で踊るお前は誰よりもキレイだよ。
 カナリヤにも負けないような美しい声で鳴くしねw」

「なっ・・・?!」



言葉を発しかけた私の唇を、ヴァネスの暖かい唇が塞ぐ。
甘くて熱くて濃厚なキス・・・。
再び廻りだしたアルコールと、私の上を優しく這わせる指先に、
頭の中が真っ白になる。



「ヴァネス・・・ダメ・・・。」



抵抗するように体をよじると、首筋まで降りていた唇がまた上ってくる。



「なに?・・・・何がダメなの?」



そう言ってまた口付けをするヴァネスは、唇を離すとニヤリと笑った。 
今日の彼は、なんだかやっぱりいつもと違う。



「ヴァネス・・・今日はちょっと意地悪だね?」

「意地悪? ・・・・・そうかもしれないなw」



私の髪を一筋指に巻きつけて自分の口元に運ぶ彼は、
ドキッとするような視線を私に送る。



「今日のお前の涙を見てたら、もっと泣かせたくなってきたw」

「えっ・・・?」

「お前が困って泣く時の顔・・・たまらなく可愛いんだ♪ もっと見たいw」



私の瞳を覗き込む彼。
その瞳はセクシーなようでいて、奥深くには無邪気な子供が潜んでいる。



「ヴァネス・・・これ以上苛めないで。
 もうあんな思い・・・したくない。」



クックと笑ったヴァネスは、宝物を抱くように私を抱きこんだ。



「ねぇ、ヴァネス?」

「ん?」

「あのタクちゃんって人の彼女・・・とっちゃったの?」

「・・・・・・・。」



驚いた顔で私を見つめるヴァネス。
でも次の瞬間、お腹を抱えて大笑いしだした。



「・・・・・んもう、なんでそんなに笑うのっ?」

「あっはっは・・・・くくくw ごめん。」



そして真顔で私を見つめる。



「誰に聞いたのか知らないけど、
 俺が日本に来てから付き合った女の子はお前だけだよ。」



その言葉にホッとした瞬間、
そんな質問をした自分が急に恥ずかしくなって、彼の胸に顔を埋める私。



「嬉しいね、お前が俺の過去に興味を持ってくれるなんて・・・♪」



私の髪を優しく撫でる彼の優しい手。



「でも・・・・・。」



心地よいアルトの声が私の耳にソフトに響く。



「勝手に不安にならないで。
 俺はいつでもお前を想ってるから・・・・・♪」









遠く聴こえる音の波。
私と彼は現実の中の異次元を、ただ二人だけで漂っていた。




                                    ~ END ~





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