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『夢』

...2010/04/04 01:08...




「ただいま~。」



シンと静まり返った部屋。
リビングの突き当たりにあるベランダに続く大きな窓からは、
オレンジ色した太陽が今日最後の光を投げ込まれていた。



「はぁ~。」



キッチンのカウンターに鍵を置き、
ソファに身を投げ出す私。



「疲れたな・・・。」



聞いてくれるあてのない独り言。
繰り返せば繰り返すほど、寂しさや虚しさが胸の中に溢れてくる。



孝天、今頃何してるんだろう?
少しくらいは私のこと、思い出してくれてるのかな?
たまには電話の一本くらいよこしてくれたっていいのに・・・。



ジリジリと焼けつく太陽の下、
真剣な表情でシャッターをきる孝天の姿が目に浮かぶ。
恋しくて切なくて涙まで出てきそうだ。



「洗い物が溜まってたっけ。
 今日やっておかないと、とんでもないことになっちゃうな。」



陽が落ちる前に帰って来れる事なんて、そうあることではない。
体が動かなくなる前にやってしまおう。



胸に込み上げてくる想いを断ち切るように重い体を持ち上げ、
ソファを背にキッチンへ向かう。



「・・・え?!」



キッチンの入り口で立ち尽くしたままフリーズする私。







「今日は早かったんだな。
 まだ飯できてないから、コーヒーでも飲んで待ってろ。
 すぐ淹れてやる。」



なんで・・・・・?
なんで孝天がいるの??



目の前には野菜を切る孝天。
いつもと何も変わらない風景だ。
不意に振り向き、食器棚から私のマグカップを取り出すと、
コーヒーメーカーからコーヒーを注ぎこみ、砂糖とミルクを入れる。
そしてそれを何気なく私に差し出した。



「ん。」

「あ・・・ありがと。」



あまりにも自然なその動きに、私の頭が混乱する。



「なんで・・・?」

「は?」



まな板の前に戻り、包丁を手にした彼が私を見る。



「なんで孝天がココにいるの・・・?」



私の一言で彼の動きが止まった。
その表情から、私の言葉の意味が理解できないでいるようだ。



「なんでって・・・何が?」

「だって・・・孝天がココに・・・・。」

「・・・・何言ってんだ、お前・・・w」



呆れた表情の後、苦笑いをしながら自分の手元に視線を戻す彼。



「だって帰って来るなんて一言も聞いてないよ!!
 なんで教えてくれなかったの?」



私がこんなにも動揺してパニクってるのに、
あまりにも変わらない孝天がなんだか悔しくて、
思わず大きな声をあげた。



「・・・お前、何かあったのか?」



いつもと違う私の態度に、ようやく彼が反応する。
さっきの呆れ顔から一変、心配の色を浮かべ私に近づいてきた。



「仕事で何かあったのか?」

「ううん。」

「だったら体の調子でも悪いのか?」



私のおでこに手を当てながら顔を覗き込む。



「熱はなさそうだな。 どした?」



真剣な眼差しで見つめられ、私の胸はドキドキと高鳴る。



「帰って来るなら帰って来るって言ってよ。
 ビックリするじゃない・・・。」



思わず涙声でそう言う私に対する孝天の言葉は意外なものだった。



「帰って来る? 俺が? どこから?」



どこから・・・。
え?? どこからだろう?
孝天、どっか行ってたんだっけ・・・・??



「お前、疲れが溜まってるんじゃないか?
 すぐ飯にするから、これ飲んで待ってろって。」



私の頭をポンと跳ねた彼の手はいつもと同じ重み。
ただそれだけで安心できるのもいつもと変わらない。
でも・・・・何かが違う。
何かがおかしい。



なんなんだろう?



いくら思い出そうとしても、
何かが蓋をしているかのように何も思い出せない。
私は少し落ち着くために、彼に言われたとおりソファに腰を下ろし
マグカップに口をつけた。



「美味しい・・・♪」



濃さも甘みもちょうどいい。
疲れた体に沁み込むように、温かな湯気が私を包む。



孝天の淹れてくれるコーヒーってこんなに美味しかったっけ?



自然とこぼれる笑顔。
少し暖かくなったとはいえ、まだ冷たい春の風に冷えた手に伝わる温もり。
ふと目線を向けると、そこには愛する人の顔が見える。
いつもと同じ光景なのに、私はいつも以上に幸せを感じていた。










「これ、美味しいね♪
 どこで買ってきたの?」

「今日はいつものスーパーが休みだったから、
 市場の方まで足をのばしてみたんだ。 美味いか?」



満足そうな彼の顔。



「うん♪」

「そうか、ならもっと食え。」



私のお皿へ自分の分を分けてくれる。



「ねぇ、いくら美味しくても、こんなには食べられないよw」

「食えるだろ。
 お前帰って来た時、腹減り過ぎて死にそうな顔してたぞw」

「ウソよ! そんな顔してないもん!!」

「ハッハッハッハww
 いいから食えよ。 残したら俺が食ってやる。」

「うん。」



こんなやりとりもいつもと同じ。
口いっぱいにご飯をほおばる彼が愛おしい。
私は自分が食べるのも忘れて、彼のそんな姿を眺めていた。










ソファの前、孝天の足の間に陣取った私は彼の腕に包まれながらTVを見る。
彼は一言も発せず、TVに見入っているようだ。
背中に感じる彼の温もり。
定期的に動く彼の鼓動。
時々力が加わる彼の腕の強さ。



私は目に映る画面も、聞こえてくる音も、
全然頭に入らなかった。
彼がいる。 彼と一緒にいる。
それが嬉しくてたまらないのだ。
一言も言葉を交わさずとも、
彼を全身で感じられる幸せに包まれていた。



なんで私はこんなに幸せなんだろう?
なんで私はこんなにときめいて、嬉しくて仕方ないんだろう?
なんで私はこんな感覚を忘れていたの?
この懐かしいような感覚はなんなのかしら?



今、私が過ごしているのは日常の一コマ。
毎日毎日繰り返していると、
忘れてしまうようなささいな一コマなんだと思う。
だけど本当は彼といるだけで眩しいほど愛おしい気持ちに溢れる大切な一瞬なんだ。



彼の腕に包まれて、心地いい眠りに吸い込まれそう・・・。



ダメ・・・寝ちゃダメ。
こんなに幸せな時間に眠っちゃうなんて勿体ないよ・・・。



「ごめんな、傍にいてやれなくて・・・。」



え・・・なに?
孝天、なんて言ったの?
ちょっと待って・・・もう一度・・・・・。














「寒っ・・・・。」



目を開けるとそこには真っ暗な空間。
窓からは真っ白な月が見えている。



「孝天・・・?」



慌てて飛び起き、電気をつけた。



明るくなったその部屋は、
さっきまでいた部屋とはまったく違う部屋に思える。
広く冷たいだけの場所。



ふと置いた手の先に当たった鍵。
そこから見えるシンクには山積みの食器。
ソファに目をやれば、帰ってきた時に放り出したままのバッグが見えた。



・・・夢・・・だったんだ・・・。



あんなにハッキリ彼の鼓動を感じたのに。
こんなにも彼の視線を覚えているのに。
こんなにしっかり彼に包まれた感触が残っているのに。



何もかもが夢だったなんて・・・・。



そう気付いた瞬間、涙が溢れて止まらなくなった。
切なくて苦しくて、言葉なんかでは表わせないほどの想い。
今すぐ彼に触れたくて、彼を感じたくて、
でも・・・・私の傍に彼はいない。



どうしようもない現実が私を孤独へと追いやる。



そして次に襲ってきたのは、大きな後悔だった。



あんなにも幸せな日々を送っていたのに、
どうして私はそれを当たり前に過ごしていたんだろう?
孝天と出逢い、彼と共に生きる。
それは全然当たり前のことなんかじゃなくて、
奇跡と呼んでもおかしなことではなかったのに・・・・・。



自責の念は涙を止めることを拒み、
私はただただ泣き続けることしかできなくなった。
さっきまで抱きしめられていたはずの体が芯まで冷たく、
それが孝天の存在を打ち消しているようで余計に胸を締め付ける。



恋しさ、切なさ、失望、落胆・・・・・・。



そんな時、バッグの中の携帯が鳴った。
驚きに体が飛び跳ね、慌ててバッグの置いてあるソファに向かう。
そして携帯を手に取った瞬間、私の胸がドキンと高鳴った。



孝天からのメール・・・!!



急いで開いてみると、添付付きのメールが届いている。



『元気か? ちゃんと飯食って眠ってるか?
 今日の夕陽があまりにもキレイだったから送る。
 今頃この夕陽はお前のところに朝日として届いてる頃だろう。
 そろそろお前と見たそっちの空が恋しくなった。
 今の仕事が一段落したら帰ろうと思う。
 だから泣くなよ。
 やるべきことをしっかりやれ。』



添付ファイルを開けると一面オレンジ色に染まる草原と、
その向こうに沈もうとしている大きな太陽。



「孝天ったら、メールでも偉そうなんだから・・・w」



頬を流れる涙を苦笑いで拭った私。
ふと窓の外を眺めると、さっきまで真っ暗だった景色が、
薄っすらと太陽の光に照らされ始めている。



よし、頑張ろう。
泣いてちゃダメ。
やるべきことをしっかりやらなきゃ。
孝天だって頑張ってるんだから・・・・・。



ベランダの窓を開けるとまだまだ冷たい明け方の風。
弱かった心をシャンと立たせてくれるようだ。



孝天が帰ってくる。
今度帰ってきたら彼とたくさん話をしよう。
私の気持ち、彼への想い・・・全て言葉にして伝えよう。
そして彼にいっぱい触れて彼を感じて、
その幸せを思いっきり抱き締めよう。
だって彼と一緒にいる何気ない毎日が、本当は奇跡のような宝物なんだから・・・。



昇ってくる力強い太陽に後押しをされるように、
固く心に誓う春の朝・・・・。



                 ~ END ~






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孝天ver 夢 | TRACKBACK(-) | COMMENT(9) |



あたりまえで平凡な毎日、長く一緒に暮らしてるとその存在の大切さを忘れがちになっちゃうね。
今日からあたりまえで幸せな日々に感謝しながら精一杯家族を愛そう!モチロン孝天もネ♪

アリガト・・・・・!!
【2010/04/04 08:38】
URL | rizhi #-[ 編集]

RE:『夢』
>rizhiさま☆
当たり前に傍にいてくれてる人ほど大切なんですよね。
孝天さんへの愛もよろしいけど、たまには自由にさせてくれてるご家族へ
愛情を表現してみて下さい。
ちゃんと「大好きだよ」と伝えることがこんなに大切なことだったんだと、
ワタシも今になって胸にしみています。
きっとrizhiちゃんなら大丈夫だね♪
【2010/04/04 23:34】
URL | yaoyao #-[ 編集]

初めまして
楽しみに読ませていただいています。

以前は、仔仔のストーリーもあったと思うのですが、あのお話の続きは書かれないのですか?

お腹がすいて倒れるっていうところ・・・何だか想像出来て笑ってしまいました。
【2010/04/20 22:02】
URL | seiko #-[ 編集]

RE:『夢』
>seikoさま☆
はじめまして~、お返事遅くなってしまってごめんなさい(汗;)。

ハイ、以前は仔仔ver.も掲載してましたね。
2度ほど書きかけたものがあったのですが、どちらも途中で止まったままで・・・(汗;)。
お腹がすいて倒れる設定のお話は確か「ハナミズキの恋」かな。
あれはちゃんと保存してありますし、あの続きも少しは書いているので
できればいつか完成させたいと思っています。
ひょっとして仔迷さまですか?
気長に待って頂ければ、いつかはお披露目することができるかもしれませんので、
どうぞ広い心で見守っていて下さいマシねw

初のコメント頂けてホントに嬉しかったです。
これからもどうぞよろしくお願いしますね。
【2010/04/21 19:47】
URL | yaoyao #-[ 編集]


はい、気長に待ちます!!楽しみです♪

他の作品は印刷して大切に持っているのですが、仔仔のだけ持っていなくて・・これでも仔迷と言ってよいものか・・?

今年は日本に来てくれるかな?新しいドラマも見たい!と思っているところです。
【2010/04/21 20:33】
URL | seiko #-[ 編集]

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【2012/05/07 07:49】
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【2012/06/03 21:52】
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【2012/07/07 10:16】
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